【ホース・チューブの基礎知識】 ホース・チューブとは

ホースやチューブは、内部が空洞の円筒・管のことを指すことが多いですが、明確な定義は見当たりません。辞書によると「ゴムやビニールで作った液体や気体を送るための管。蛇管」（『大辞林』 三省堂）、「水、油、空気、蒸気などの流体を効果的に輸送する器具」（『ゴム年鑑　1995年版』）、「圧力を伝える管」（『ゴム年鑑』）などと記載されています。

空気や燃料のような原料の輸送や、油圧空圧などの力を伝達するためにも利用されます。これらの機能によりホースの要求特性が決まり、材質・構造・寸法にさまざまな種類が存在します。用途は、油空圧、食品、土木、水道、農業園芸、半導体、医薬、バイオ、理化学まで幅広いですが、最も使用量の多いのが実は自動車。油圧系統から空気の取り入れ、ウィンド・ウォッシャー液を導くなど、実にさまざまな部分に使用されています。

ホース・チューブはゴムや合成樹脂を材料とし、ほとんどは押出成形により製造されます。押出成形とは、プラスチック原料を押出機で溶融・可塑化した後、押出して冷却・固化し、所定の形状・寸法を付与する連続的な成形法のことです。